以前アウトドア用の安いハンモックを試してからハンモック熱に火のついた嫁が、いつの間にか室内用のハンモックを買い込んでいました(しかも結構高い)。ところが、取り付け方を調べてみると実は結構な困難が伴うことが判明。。。今回はその顛末記です。
ハンモック、木の柱や梁が室内から見えている部屋なら問題ないんです。梁にそのままロープを巻きつけられる場合もありますし、ロープをひっかけるための金具を柱に木ネジで止めることも簡単です。しかし我が家は多くのマンションがそうであるように柱も梁も見えない石膏ボードの壁。
ネットでいろいろ調べても、こういうケースの対処法として一番多いのは、まず、「ハンモックはあきらめてください」です。でも、もうハンモック買っちゃってあるし…ということで簡単にあきらめのつかない我々はもう少し踏み込みます。
石膏ボードの壁の場合、壁そのものはその名の通りただの石膏板なので非常にもろく、そこに重いものをぶら下げることはできません。また、石膏ボードの向こう側は空洞になっていて、ボードを突き抜けて穴をあけても向こうに広がるのは虚無の世界(?)、とてもネジなど止まりません。しかし実際には、部屋の構造を支えるために当然柱は存在しています。石膏ボードの向こう側に隠れて見えないだけで、壁の向こうには一定の間隔で柱が入っている場所があるわけです。その場所を見定めて石膏ボードの向こう側のそいつに見事ネジを打ち込むことができればOK。
というわけでこんな道具を使います↓
要はソナーです。これを壁に当てて探ると、向こう側が空洞の場所とそうでない場所の違いが判るのです。
向こう側が空洞でない場所を見つけてまずは片側の金具の設置完了。ちなみに4つの赤いシールで囲まれた範囲にだけ、壁の向こうに「何か」がありました。結果的にはおそらくこれは柱ではなく、エアコンを取り付けるために用意されたコンクリート製の下地のようでした↓
一方、反対側の壁にも隠れた柱を見つけ、さあネジを打とうとドリルで穴をあけてみたのですが…柱に歯が立たない!石膏ボードの層は当然簡単に貫通するのですが、その向こうの柱にどうやっても穴があきません。柱といえば木材に決まっている、と決めつけていたのですが、どうやら大間違い。金属の柱です。ピーンチ!
やはりマンションにハンモックというのが無謀だったのか…あきらめるしかないのか…でも、もうハンモック買っちゃってあるし…。もう少し踏み込みます。
用意したのはこちら↓
「ど~こ~で~も~し~た~じ~っ!」(ドラえもん風に)
石膏ボードの裏の柱など、ネジを打てる場所を「下地」と呼ぶようで、この製品はその名の通り下地を好きな場所に作ってしまおうという素敵グッズ。
原理は簡単かつ乱暴。今度は逆に石膏ボードの裏の、柱などのない空洞部分に注目します。先ほどは虚無の世界などと書きましたが、実は壁の向こうには無限の空間が広がっているわけではなく(当たり前)、いつかは隣の部屋の壁の裏だったり、その他構造物に行き当たります。「いつか」というか、たいていは空洞の奥行きは高々10cm程度。そこで、こっちの壁の裏側とその先にある何かしらの間の空間にまずはスポンジを詰め込み、しかる後にそのスポンジに樹脂ボンドを染み込ませてカチコチに固めてやろう、という、それが「どこでも下地」のコンセプト。
ちなみにこれは素人向けの商品ではどうやらなく、内装業者などが使う業務用のもの。なので、これひと箱でおそらく10か所以上の下地作りが可能なくらいの大容量です。そのせいもあってか、ただのボンドのくせして、あの高かった(しつこい?)ハンモック本体よりもさらに高価なお値段でした。もう後には引けない。。。もう一つちなみに、こんな業務用の建材が普通にさらりと買えてしまうamazon恐るべし。
どこでも下地のキットに説明書がついているので、あとはそれに従って作業します。
まずは壁の向こうにスポンジを押し込むために、壁にどでかい穴を開けます。電動ドリルの先にこんなのをつけてひとおもいに。。。↓
その後、この穴からスポンジを押し込みます。デカ穴の方はこうやってスポンジを入れてしまえばもう用無し。あとは周辺の小さい4つの穴からスポンジに向かってボンドを注入します。ボンドはボンベに入っていて、ノズルの先から勢いよく噴出してスポンジに染み込んでいきます↓
そのまま待つこと半日以上。写真ではわからないでしょうが、スポンジはコチコチになっています。確かにこれならネジが打てそう↓
壁紙を貼ってデカ穴を隠したのちに金具をネジ止めし。。。
デキタ~ッ!
ハンモックに乗るとなぜか何もかもがどうでもいい気分になり、呆けた薄ら笑いが浮かんできます。あ、ちなみに写りこんでいる生後1か月の赤子は最近生まれた次女です。ハンモックに一番喜ぶはずの長女は今日は嫁の実家に泊まりに行っており、まだ完成状態を目にしていません。最近長女は、次女が生まれたせいでこれまで我々両親と一緒に寝ていたベッドから追い出され、独り寂しく楽しく床に寝ているので、ハンモックがあれば今後は迷わずこちらを使うことになりそうです。
それにつけても今回のことを振り返ってしみじみ思うのは、後先考えずにハンモックを買っちまっていなければきっと途中であきらめていただろうなぁということと、amazonすげー、という2点でした。